ブランド講座-今知っておくべきブランドの話|ブランドをよく考える |
ここでは、ブランドに関する様々な情報を発信しています。 最近の女性ファッションの流行に、レースのえりを付ける、というのがありますが、レースのえりが、ついていないニットなどにも、付けられるように、レースのえりだけが、売られているようで、そのお値段が、五千円近くするのをみて、驚きました。今やファストファッションという言葉が浸透し、ユニクロ、しまむら、H&M、フォーエバー21といった、低価格路線を売りにしたアパレルメーカーが台頭し、節約をしている人が増えている中、手縫いで簡単にできそうな、レースのえりを、五千円も出して買う人がいる、ということに、流行への強いこだわりは、いつの時代も生きているのだ、ということを感じました。
一九七〇年頃から、繊維産業や、衣服産業といった、アパレル業界では、ファッションビジネス、ファッション産業という言葉が、頻繁に聞かれるようになり、ファッションビジネスについて論じられた内容には、消費者は、アパレル消費における選択の基準を、どこにおいているか、というと、洋服の生地といった、物理的な価値ではなく、感覚的なデザインの美しさ、かっこよさを重視する、という傾向が強くなってきていて、美しさ、かっこよさ、といった価値観を持つ尺度になるのは、流行ということで、ファッションとは、一種の情報とみなされ、消費者がアパレル用品を買う、着るということは、衣服を手に入れる、ということと同時に、情報やデザイン、美しさに対して、お金を払っていることになる、とされ、洋服の原価は、決まっているのですが、感覚的、心理的な尺度で、価値づけられる情報や、デザインの値段は、公式的な算出ができず、流行のおしゃれなアパレル用品に関する値段は、プライスレスともいえ、同じアイテムでも、流行のピークにある時と、下火になったと時とでは、支払う価値に大きな違いが出てくる、ということで、まさしくファッションアパレルは、鮮度が命の旬のもの、といえ、少し前には、おそらく五千円という値段では、絶対に売ることができなかったし、買う人もいなかったであろう、レースのえりも、旬の今だけは、その値段を表示しても普通、になるから、流行とは不思議なものだと感じます。流行といわれれば、それだけで、おしゃれ、ということになる場合もあって、アパレル業界では、いかに、流行を作り出すか、に躍起になる、というのもよく分かる気がします。
一九七〇年代にも、タイダイという絞り染めのシャツの流行があり、製造原価、五百円程度のシャツが、流行商品として、五千円から一万円という値段で、販売されていたそうです。第一次オイルショック以後の、景気の沈滞によって、消費の急激な冷え込みが続いていた七十年代のなかばに、驚異的な売り上げを誇った、メンズアパレルメーカーがありました。